光が丘公園・冬
お店をやっていたのがはるか昔のことのように思えるが暦を見ると3週間前のことだ。
残務処理だとか荷物の片付けだとかまだまだ終わる気がしない。
はるか昔のようだけど片付けが終わる気がしない?なんだか矛盾する。
それはそれ。片道四、五十分の自転車通勤がなくなったので運動不足を解消すべく歩くことにする。
家から光が丘公園までは徒歩で二、三十分。公園を散策して買い物して歩いて帰る。
ちょっとググってみると光が丘公園は東京ドーム13個分の広さだそうだ。お店に通っていた時はほんの片隅(500mぐらいかな?)を自転車で通過していただけ。
ちょっと足を伸ばしただけでそこは未知の土地、初冬の景色が楽しい。
初冬の音はInstagramにアップしてみました。
11月27日 お店つるまめ を閉じました
1999年11月27日にオープンした つるまめ ですが2022年11月27日をもって閉店いたしました。
長い間ありがとうございました。
ブログ、レシピブログはこのまま続けます。
お料理、食にまつわる活動をしてゆくつもりです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
つるまめ
コンポストで太古をおもう
気温が上がってきて糠床をかき混ぜることと段ボールコンポストをかき混ぜることが日課となっている。
段ボールコンポストは試行錯誤を繰り返し虫が出ないようになってきた。喜ばしいことだ。
3ヶ月ほど前にコンポストで出来た堆肥を庭に撒いたのだが、その辺りから野菜らしきものが芽を出した。写真はかぼちゃとおぼしきもの、そしてインゲン。
インゲンは収穫もした。たくさん採れた。
採れたてを茹でたので柔らかく美味しかった。まごうことなきインゲンだった。
買ってきた種で育てた野菜を食べるのとは違う新鮮なワクワクがあった。
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ある日庭の草むしりをしていた母が「アァタ(あなた)のゴミから芽が出てるよ!」と言うではないか。見ると「野菜」がでている。
以来ほったらかしだが野菜たちはスクスクと育った。ひょろひょろの小松菜も少量だが採って食べた。母はかぼちゃが収穫できることを心待ちにしている。できるかな?
お店の名前の由来でもある蔓豆つるまめ は大豆の野生種で縄文の人々も食べていたのだという。野生種だったつるまめ は縄文人に栽培され長い時を経て粒の大きい大豆になったらしい。最初の人がこれ食える、土に撒いたらまた生える、と発見したのだろうと思う。
土から植物が育つ。縄文の人も土ってすごいなぁと思ったのかな。
縄文好きなので無理やり結びつけて想いを馳せてみた。
野菜の皮でスープ
野菜の皮はむかずに料理するのが常だが、ぬか漬けにするときは皮を剥く。
その方がきれいな色の漬物になる。かぶは特に厚めに皮を剥く。しかしかぶの皮は美味しい。捨てるにはもったいない。
他にもふろふき大根などなど。むいた野菜の皮が出た時はまとめてポタージュスープにする。
野菜のポタージュは「エコクッキング=モッタイナイ料理」に便利だ。
うま味に玉ねぎ、つなぎにじゃがいもを入れれば大抵の野菜くずは美味しいスープになる。
玉ねぎと野菜の皮とじゃがいもを油少々で蒸らし炒め、水とローリエとスープの素を加え野菜がすっかり柔らかくなったらジューサーにかけて出来上がり。
丁寧なポタージュスープの作り方は「つるまめ○ご飯 レシピブログ」をご覧ください。
野菜に限らず食べ物は捨てたくない。出汁をとった後の昆布は佃煮に、鰹節はふりかけにする。加えて昨年末から生ゴミで段ボールコンポストを始めた。我が家の燃えるゴミは劇的に少なくなった。ただし!これからの季節は虫に注意だ。
味噌作りとわが家の住人?たち
3〜4ヶ月ごとに味噌を仕込む。
店が休みの日に季節を問わず自宅で少量ずつ仕込む。
ひと月に1回全体をよくかき混ぜておもに気温をみつつ早いと3ヶ月ぐらいで食べ始める。
新味噌が好き、という母の影響なのだろう。わたしも深く熟成した味噌よりフレッシュな味わいの味噌が好きだ。それがつるまめの味噌汁の味。
柔らかく煮た豆はすり鉢ですりつぶす。フードプロセッサーでつぶすよりも美味しい気がする。
一緒に仕込んだ味噌でも各々家に持ち帰って熟成させるとなぜか違う味に仕上がる。それぞれの家の温度や湿度といった環境プラスアルファの要因で味が変わってくる。不思議なのだが本当に味が変わるのだ。
味噌は麹菌の働きでできる。麹菌は微生物なので生き物。味噌は生きている。だから育つ環境で変わる。わが家でできる味噌はその時々で違う豆、違う麹を使い水分量なんかもまちまちだがおんなじような味に仕上がる。
仕込んだ味噌は北側の3畳ほどの部屋で保管する。そこはウチで一番気温の低い場所なので糠床の瓶も置いてある。糠床も微生物の働きで野菜を美味しいぬか漬けに変える。
この糠床との付き合いはかれこれ30年近くになる。夏場は毎日1〜2回かき混ぜるが冬場は1週間ぐらいほっといても大丈夫。サボるとすぐに味に出るのでそれなりに世話をやいている。
味噌と糠床、以前はパン酵母も「飼っていた」。いろんな生き物がいるのだがたまにミャ〜となくような生き物も飼ってみたいと思うことがある。
最近くわわった仲間
お茶のはなし③
今年は60歳の年女。年賀状で「還暦になりま〜す」と皆にお知らせしたらちょっとおめでたい気分になった。
といって誕生日がきたからと還暦を祝ってくれる人もいない。別に祝ってほしいわけでもない。と思っていたら関西の友人が「還暦と日本茶アドバイザーの合格祝いに」と宇治のお茶とコースターを送ってくれた。
還暦になって一番うれしかったこと、かもしれない。
お茶は福寿園のかぶせ茶。あの伊右衛門の福寿園。そして「かぶせ茶」。日本茶のテキスト「チャの育て方」で勉強した、飲んだことはない。
お茶の包みを見た途端ワクワクした気持ちになり、気がつくと湯を沸かしお茶の準備をしていた(「ワクワク」の正しい使い方、多分)。
低めの温度でじっくり待ってから挿れる。まったりとしたうま味、それでいてキリっとして、なにより香りが豊か…いつものお茶とはちがう。
日本茶の勉強をしたといっても関東の生まれ育ち。慣れ親しんだのは静岡とか狭山とか、ここ数年はずっと静岡の深蒸し茶を飲んでいる。
もちろん静岡の深蒸し茶も美味しいのだ。それで充分満足している。いや、していた。こうなると日本全国のお茶をいろいろ味わってみなければ日本茶アドバイザーとはいえないと思った次第です。
やすみの日に①
年が明け誕生日がきて還暦となった。
人生50年時代の還暦だったら大いに長寿を祝ったことだろう。
平均寿命が80越えの令和にあっては人生の節目。
実りの秋もそろそろ終わりかぁ、抜かりなく冬支度を整えたいな、そんな気分だ。
ちょっと待て。「実りの秋」そんな季節があったろうかと、ふと来し方を振り返る。
虚しいとはこんな心持かぁ、などという感慨にふけるのも「還暦」という響きのせいかな。
ここはひとつ晴れてシルバー料金!で映画でも見ようと思い立ちあれこれ調べると、見たい時間の映画は以前から55才以上割引「ハッピー55」を利用していた映画館しかない。
あまり新鮮味のない割引で(割引は喜ばしいのだが)映画鑑賞。
シルバー料金デビューはおあずけとなったがますます日本茶が似合う年齢になったことだろう。
いやいやお若い方にもぜひ日本茶に親しんでいただきたいものです。(こんな言い方も年寄りっぽくてちょっと愉快だ)