お茶のはなし③
今年は60歳の年女。年賀状で「還暦になりま〜す」と皆にお知らせしたらちょっとおめでたい気分になった。
といって誕生日がきたからと還暦を祝ってくれる人もいない。別に祝ってほしいわけでもない。と思っていたら関西の友人が「還暦と日本茶アドバイザーの合格祝いに」と宇治のお茶とコースターを送ってくれた。
還暦になって一番うれしかったこと、かもしれない。
お茶は福寿園のかぶせ茶。あの伊右衛門の福寿園。そして「かぶせ茶」。日本茶のテキスト「チャの育て方」で勉強した、飲んだことはない。
お茶の包みを見た途端ワクワクした気持ちになり、気がつくと湯を沸かしお茶の準備をしていた(「ワクワク」の正しい使い方、多分)。
低めの温度でじっくり待ってから挿れる。まったりとしたうま味、それでいてキリっとして、なにより香りが豊か…いつものお茶とはちがう。
日本茶の勉強をしたといっても関東の生まれ育ち。慣れ親しんだのは静岡とか狭山とか、ここ数年はずっと静岡の深蒸し茶を飲んでいる。
もちろん静岡の深蒸し茶も美味しいのだ。それで充分満足している。いや、していた。こうなると日本全国のお茶をいろいろ味わってみなければ日本茶アドバイザーとはいえないと思った次第です。